お寿司は人気のパーティーメニュー

海外に住む日本人女性なら

必ず聞かれるフレーズがある。

それは

「あなた、すし作れる？」

世界中で人気の

The和食！

2013年にはUNESCO Intangible Cultural Heritage （無形文化財）に認定された。

日本レストランは至る所にオープンし、

ちょっと高級なビジネスランチとして使われている。

そしてなんとここ10年くらいの間には

お寿司のファーストフードなるものもオープンして

お金のない庶民でも気軽に味わえるものになった。

すし、すし、ラブコール

イギリスに来た頃は

お寿司を作ってと頼まれても

ずっと断っていた。

日本ではどこにでも売ってたし、

自分で作りたいという好物でもない。

だから

お寿司を作った経験がないのである。

ところが海外では

「お寿司作りは日本人なら必須でしょ」

と言わんばかりの「需要」なのだ。

「お寿司作って」「お願い作って」

というラブコールの嵐に

とうとう観念して

お寿司作りを先輩日本人女史に教わることにした。

10年前の話である。

かきおばさま

その先輩日本人女史は、

げばがまだ子供の時にすでに渡英しており、

正しい英語を喋る日本語翻訳家である。

お料理と子供が好きな優しい方である。

柿が好きだという彼女にちなんで

親しみを込めて

’かきおばさま’と呼ばさせて頂く。

私はよくおばさまのおうちにお邪魔したものだ。

私の英語は全て彼女の検閲を通って世に出る。

よく公的文章を手直ししてもらって

本当にお世話になった。

でも

彼女の一番の得意はなんと言っても料理。

「ねえ今日予定ある？遊びに行ってもいいかしら？」

げばの突然の電話にも

「しょうがないわね」

と言って、なんだかんだ手料理を振る舞ってくれる。

インドのスパイスと日本のカレーを入れる、かきおばさまオリジナルカレー。

おばさま自慢の韓国料理、などなど。

こういった楽しい女子会は、げばの楽しみの一つでもある。

寿司作り初心者

数ヶ月たち

パーティーのための巻き寿司を依頼された。

みんな顔見知りの、勝って知った人ばかりの集まりだから、気楽に作って。

かきおばさまも応援のお寿司を持ってきてくれるとのこと。

さて　おばさまから教わったことを思い出して

作ってみようじゃないの。

１　具材　（これはげばのオリジナル）を準備する。

薄焼き卵　（薄焼き卵を作る）

カニカマ　（手で割いておく）

スモークサーモン　（手で割いておく）

スモークしたさば　（手で割いておく）

きゅうり　（薄く縦に切る）

にんじん（薄く縦に切る）

２　あわせ酢を作ってご飯に混ぜてすじ飯を作る。

米　３カップ

酢　大さじ４

塩　小さじ１

砂糖　大さじ２

３　巻きすにのりをおき、その上にすし飯をのっける。

４　その上にラップをしてロールピン（クッキーを作る時に使う木製のローラー）でご飯を均等に広げる。（かきおばさまのオリジナル）こうすると上手に巻けるとのこと

５　具材を酢飯の真ん中に置いてマヨネーズを塗り、端っこから巻いていく。最後に少しギュッと巻きすの上から握り、形を整える。

６　よく切れる包丁で、巻き寿司の真ん中を切り、さらに半分の巻き寿司の半分を切り、それをまた半分に切る。合計で８切れ、同じ大きさに切れる。

お寿司は冷蔵庫に入れると、乾燥して硬くなる。　美味しく頂くにはパーティーに持っていく直前で切る。時間がないなら切った巻き寿司をバラさないで一本一本ラップに包んで切れた断面を乾燥させないでおく

人気のお寿司

初めて作ったお寿司だったが、大成功！

かきおばさまも初めて作った私の巻き寿司を褒めてくれた。

私たちの作ったお寿司は大人気で瞬く間にお皿が空になった。

このパーティーのあと、

噂を聞いた友達は、彼女たちのファミリーパーティーにまで

巻き寿司を依頼するようになる。

一度、パーティー出席者100人のために作ってくれと言われた。

材料費を払ってもらっても、巻き寿司は手間がかかる。

合計２００切れの巻き寿司を作ったが、

ヘトヘトになり、

これをきっかけに

友達からの依頼は全て断ることにした。

キリがないもんね。

だから私がお寿司を作るのは

本当に私が作りたいと思うときだけ。

無理がない程度に。

かきおばさま

ありがとう。

おせわになりました。

お寿司とはパーティーフード。