外国語習得の最もいい方法は

グラマーを勉強したり、

テスト問題を解くのではなく

その言語を

「使う」ことである。

現在の状態を把握する

久しぶりに

りんごちゃんの

日本語の教材である

プリントを

読んでみた。

その時、習っていたことは

「道順を日本語で言いましょう」

だった。

「まっすぐ行って、

突き当たりを左に曲がって、…..」

みたいな。

中学生がこんなに

正しい

きれいな日本語で

道案内なんてできないが、

せめて、

右、

左、

まっすぐ

とかの

単語はテストで出るらしい。

よし!

げばは楽しいことを

思いついた。

人間ナビゲーション

「マミー、

アビーのうちにつれてってよ。」

りんごちゃんがいう。

アビーとはりんごちゃんの

お友達である。

げばはいう。

「マジックワードで言いなさい。」

りんごちゃんはめんどくさそうに

「oka-sama

oisogashi tokoro

moshiwake arimasenga

kurumade

Abbie ni

tureteitte

kudasai」

ちょっとおかしいけど

まあいいでしょう。

車に乗り込んだりんごちゃんに

げばは言った。

「日本語でナビゲーションしてちょうだい。」

「なんで?

マミーはアビーのうち知ってるじゃない。」

とりんごちゃん。

げばは取り合わず、

「今日はあんたのナビゲーション通りに運転するわよ。

間違えたら、あんたのせいよ。」

恐ろしいことを言うお母さんである。

体で覚える日本語レッスン

車を走らせたげばがいう。

げば:「ほら道路が分かれるわよ。右?左?まっすぐ?」

りんご:「みぎ」

げばは右折した。

りんご:「どうして右に曲がるのよ!Leftだよ!」

げば:「あんたがみぎって言ったのよ。右はRightでしょうが!」

Uターンしてやり直し。

げば:「ほら次はどっち?右?左?まっすぐ?」

りんご:「ひだり」

げばは左折する。

りんご:「なんで!なんでまた元に戻っちゃうの!」

    「ストレートで行かなきゃアビーんちにいけないよう!」

げば:「あんたが『まっすぐ』って言わんからでしょうが」

りんごちゃんは悟った。

自分が正しく

方向を言わないと

この母親はとんでもないところへ

自分を連れていくだろう。

やがてアビーのうちが見えてきた。

りんごちゃんはほっとする。

すると

げばはアビーのうちで止まらず、

そのまま通り過ぎた。

りんご:「ストップ!ストップ!なんで止まんないのよ!」

げばは涼しい顔をして

「……『止まれ』と言わなかったでしょ」

と返す。

こんなやりとりを何度も繰り返して、

りんごちゃんは

「みぎ」「ひだり」「まっすぐ」「止まれ」

を体で覚えた。

姉、りんごちゃんから

この恐ろしいレッスンを聞いた妹、みかんちゃんは

自分が被害を受けないように

真面目に勉強して、

げばに自分のノートを

絶対見せなかった。

おかげで

彼女は

難を逃れたのである。

投稿者 geba-

21年の国際結婚にピリオドを打ち、今現在シングルアゲインしています。この生活は思った以上に快適で、NHSの病院で働きながら、漫才みたいな生活を楽しんでいます。女子トーク、イギリス生活、そしてシリアスな人生観を書いていきます。

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