俳優で、歌手の木村拓哉を

知らない日本人はいない。

そして

彼は昔、

「キムタク」と呼ばれていた。

私は

実は、

「キムタク」を知らなかった….

母の優越感

20年ほど前になるだろうか?

あの頃は

コンピューターを購入しておらず、

日本のテレビ番組は

特別回線を購入しないと見れなかった。

日本のニュースは

もっぱら雑誌とか、

母が送ってくれるビデオテープ。

時々送られる、これらの小包は

げばの楽しみの一つだった。

その中で

「キムタク」という男性が

頻繁に出てくるようになった。

げばは母に聞いた。

「キムタク」って誰?

母は思いっきり馬鹿にしてこういった。

あんた知らんのおおおおお!」

(あのね、私は馬鹿にしてくれといってない。

「キムタク」とは誰?といってるのだ)

しかし、

60代の母は

娘の私が知らないことを

自分は知っている

ということが

とても嬉しかったのだろう。

娘は

「キムタク」を知らない。(常識を知らない)

私は

「キムタク」を知っている。(常識を知っている)

これを電話口で、約10秒自慢していた。

インターネットでドラマ視聴

それからしばらくして

げばもコンピューターで

インターネットを始めた。

Eメールが普及してきて、

必要に迫られて

使うようになったのだ。

そのうち慣れてきたげばは

インターネットで

日本のドラマが見れることを発見した。

一話を見てしまったら、

全部見たくなる。

ここで

「キムタク」こと、

木村拓哉のドラマを見て

やっと彼が

超売れっ子の人気俳優だということを知った。

その頃、

友人の

柿おばさまが

韓流ドラマにハマった。

「げばさん、

韓流ドラマはいいわよ。

俳優さんがとってもかっこよくて、

女優さんもすごく綺麗なの。

そしてすごく面白いのよ。」

韓流ドラマにはまる

その当時

ぺヨンジュンの「冬のソナタ」が大流行しており、

柿おばさまもそこから韓流ドラマファンになったのだ。

私は、韓国のドラマは長いという印象があり、

最初から観る気がなかった。

それから10数年後、

友人の杏ちゃんの紹介で、

韓流ドラマの「ヴィンツェンツォ」、「愛の不時着」

を見た。

素晴らしいストーリー展開、

韓国独特のリズムあるユーモア、

女性の胸キュン感を十分知り尽くしたシーン作り。

………

………止まらない。

一気見してしまった。

これは楽しい!

柿おばさまが韓流ドラマにハマるわけがわかった。

「指ハート」を使ったら

「愛の不時着」でヒロインの女性が

指で可愛らしいハートを使って、

自分の「胸キュン」をアピールしていた。

へえ、

最近はこんな可愛いハートで

若い子はコミュニケーションしているのかあ。

大いに気に入って、

遊びに来たりんごちゃんに、

「ねえ、ねえ、こんなの知ってる?」

と指ハートを作ってみた。

娘は知らない。

げばは有頂天である。

娘の知らない若者仕草を

知っているのだ。

ここぞとばかり

母は娘を見下し、

鼻高々で

言い放つ。

「あんた!知らんのおおおおお!」

……..

この時、

げばは気付く。

なんと私は

母が言い放った言葉を

同じように

娘に言い放っていた。

娘はいつの間にか

母に似てくる。

苦笑した私は

指ハートを

我が娘と、

我が母に送る。

いつまでも

お元気でと

思いをこめて……

投稿者 geba-

21年の国際結婚にピリオドを打ち、今現在シングルアゲインしています。この生活は思った以上に快適で、NHSの病院で働きながら、漫才みたいな生活を楽しんでいます。女子トーク、イギリス生活、そしてシリアスな人生観を書いていきます。

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