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「い、い、い、一体どうしたの?」

「ど、ど、ど、ど、どこにいるの?」

「け、け、けがしたの?」

言葉にならない

言葉を

文法も

めちゃくちゃに

ただ

声にした。

気が動転しているなんてものじゃない。

みかんちゃんが一言発するたびに

涙が出てくる。

衝撃の朝

朝の忙しい時間帯だった。

非通知(No Caller ID)の電話が鳴る。

知らない女の人が、

いきなり、

げばの身元確認をしてきた。

それが終わって、

誰かに電話を代わった。

「ハロー、….マミー」

「…..!」

みかんちゃん!!!!!!

彼女はオーストラリアにいるはず。

何があったのか?

胸がドキドキした。

「あのね、

…….私、

事故にあったの。」

消え入りそうな声でみかんちゃんはいった。

「事故?!」

遠くに娘を送り出した親が

一番恐れていることを

彼女は口にした。

車の衝突事故を起こし、

今、病院にいるらしい。

これは、夢なのか

と思った。

声が苦しそうだ。

あんまり質問攻めにしてはいけない。

一番苦しいのは本人だ。

そう思って、

とにかく、

心細いみかんちゃんを励まし、

電話をきった。

涙があふれて止まらなかった。

みかんちゃん…….

そうつぶやいた時、

こう思った。

「みかんちゃんは事故にあったけど、

生きてるんだ!」

生かさせてもらったことに感謝しないと。

そう思うと、

また涙が出てきた。

勤務先の病院へ向かう途中、

同僚を拾って一緒に仕事場へ向かう。

げばのただならぬ雰囲気に、

同僚は心配して、

「げば、どうしたの?

何かあったの?」

と聞いてくれた。

その声を聞いて、

またげばは

泣いてしまった。

看護婦である彼女は

冷静にみかんちゃんの状態を分析してくれた。

「肋骨が一つ壊れて、肺の損傷の可能性がある。といったのね。

でも、大丈夫よ。

電話で話せたということは、呼吸ができたのだから、

もし、不可能なら、看護婦が止めるわよ。」

「お母さんなら、心配で当たり前よ。

もし、今日、勤務が難しいなら、

途中で帰ってもいいのよ。」

「けれども、家の中にいると、

1人であれこれ考えちゃうから、

外で働いた方が

精神的にはいいかもよ。」

同じように子供のいる同僚は

げばの気持ちをわかってくれた。

仕事場について、

まずげばがなすべき事は、

携帯電話を持って仕事をする、

許可を取る事だった。

オーストラリアの病院から、

いつまた電話がくるかわからないからだ。

マネージャーと話をした時も、

自然と涙がでてきた。

まったく

なんでこんなに涙が出るのかわからない。

銀行からの電話

とりあえず

お金をみかんちゃんの口座に送った。

離れていて、

そばにいてやることもできないので、

せめて、

お金を送れば、

そのお金で必要なものが買える。

彼女を不自由な思いにさせたくない。

祈るような思いだった。

愚かな親心とはよくいったものだ。

お金を送ったことをテキストしたら、

みかんちゃんから返事が来た。

「ありがとう。」

この返事は

みかんちゃんが無事だということだ。

事情を知っている同僚は

本当に喜んでくれた。

お昼が過ぎた頃、

電話が鳴った。

急いで、休憩室に駆け込んで、電話を取る。

その電話は、銀行からだった。

「今朝、多額の振り込みがオンラインで行われました。

この振り込みが本当にご本人からのものか、確認させてください。」

詐欺行為ではないかと疑った銀行が連絡してきたのだ。

実際、詐欺行為は頻繁に行われていたからだ。

げばは、確認をするのに、事情を説明する。

銀行:「この受取人とのご関係は?」

げば:「彼女は私の娘です。」

銀行:「送金内容は、アクシデントとありますが、どうしたんですか?」

げば:「娘が、衝突事故にあったのです。」

これだけのやりとりだったのに、

目に涙がにじんできて、声がうわずってきた。

銀行:「すみません。泣かせてしまって、

遠く離れた娘さんが事故に遭われたので送金されたんですね。

わかりました。すぐに手続きさせていただきます。」

その場にいた、ドクターや、シスターがびっくりして

げばに、駆け寄ってきた。

「家族が事故にあったのね。かわいそうに。大丈夫よ。娘さんは大丈夫よ。」

彼女たちは、

両手を広げてげばを抱擁してくれた。

みかんちゃんのテキストメッセージ

「私は今、XXX病院にいます。

弱った肺から悪い空気を抜いてもらいました。

だから、ずいぶん楽になったよ。」

午後の休憩時間に携帯を確認したら、

みかんちゃんからメッセージが届いていた。

よかった!

文章が打てれるくらい回復した。

げば:「よかった!みかんちゃん!

この事故のことを、りんごちゃんに伝えてもいい?

ところで、今、そちらは何時なの?」

みかん:「夜中の3時、でも昼間寝てたから、今眠くないの」

げばが夜勤の時、

眠れない患者さんをみて、

「もう!

困った患者さんだ。

いいかげん寝てくれないかな。」

と思ったものだ。

今、みかんちゃんは

その「困った患者さん」なのだ。

そう思うと、

おかしくもあった。

病院はこうやって24時間、休みなく運営されているのだ。

どこの国でも…..

ママ友のメッセージ

みかんちゃんは

病院のベッドで友達とチャットしていた。

暇を持て余していたのだ。

そして気のおけない幼なじみに、この事故のことを話したのだ。

その幼なじみはびっくりして、

母親に知らせた。

幼なじみの母親だから、

げばからしたら、ママ友である。

そのママ友はすぐにげばに電話した。

あいにく、夕方の忙しい時間帯だったので

げばは電話をきって、

後でかけ直すことにした。

仕事が終わって携帯を見ると、

ママ友からメッセージが残っていた。

「娘から聞いたの?

みかんちゃんが事故にあったって!

あなた大丈夫?

私は引っ越ししてるから

あなたの近くにいないけど、

でも何か助けが必要なら

いつでも電話してちょうだいね。」

げばが、今日はたくさん泣いてしまったことを話すと、

「まあ、なんてことなの。

かわいそうに。

私、少し貯金があるのよ。

もし、オーストラリアに飛んで行くのなら

声をかけてね。

助けるから。

みかんちゃんは

私にとっても娘みたいなものだったのよ。

愛を込めて」

げばは友人同士のお金の貸し借りはしない主義だから

彼女のオファーは丁重にお断りした。

しかし、彼女の励ましは嬉しかった。

生きていてくれたことへの感謝

人は

何か事故が起きたり、

病気になったり、

不都合なことが起こった時、

運が悪いとか、

なんでこんなことが起こるのか、とか

今年はついてない、とか言ってしまう。

げばも、

確かに病院から連絡があった時、

金槌で頭を殴られたような衝撃があった。

しかし、

もし、みかんちゃんの衝突事故が

死亡事故などになっていたとしたら、

この衝突事故は

「死亡するはずの事故」を軽く受けたことになる。

死亡するはずの事故にあったみかんちゃんは

しゃべってくれない。

テキストも打てない。

おうちに帰ることもない。

そう思うと、

みかんちゃんが

電話でしゃべってくれて、

テキストも返してくれて、

何より、

時がくれば彼女に会えるということは、

いわば、「奇跡」なのだ。

げばが何度も泣いてしまったのは

この「奇跡」に感謝して

泣いてしまったのである。

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