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墓場まで持っていく「秘密」

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メモリー日記
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「あそこにホテルがあるよ。」

車を運転しながら、男が言う。

女は黙っている。

「どうする?通り過ぎちゃうよ?」

女は、はにかんで答えた。

「…….いいわ。」

男はすぐに、

通り過ぎかけたホテルに向かって

車を左折した。

バイクの事故

今日は日曜日の休日。

気持のいい初夏である。

こんな日はバイクでお出かけしたい。

げばは愛車である原付バイクで

ツーリングを楽しんでいた。

げばがまだ10代の話である。

風を切って走るのはすごく気持ちいい。

車も少なかったので、

その日は少しスピードを出していた。

いい気分で走っていると、

横を走っていた乗用車が

いきなり左折してきた。

方向指示器も何もなく、

いきなりである。

あわててブレーキをかけたが間に合わない。

バイクは車にぶつかり、

その反動で

げばは道路に放り出された。

交通事故が起こった!

すさまじい音を聞いて

近所の人たちが

わらわら集まってきた。

「交通事故や!!」

そしておばさんたちは目撃した。

ー車がラブホテルに入ろうとして

バイクをはねた!

ーその車に乗っていたのが

中年の男女だった!

ーバイクに乗っていたのは

幼い?10代の少女?だった!

車に乗っていた中年の男女は

すぐさま悪者にされ、

近所のおっさん、おばさんに

好き勝手言われる。

「おめえら、この真昼間に

ラブホテル入ろうとしたのか!」

「なんてやつなの!」

「こそこそしやがって!

不倫してんのか!」

(反社会的行為をしていた男女に

おっさん、おばさんたちは容赦ない。)

「(げばを見て)あんた!

裁判になったら、必ず勝つからな!」

そして男女を睨みつけた。

事の次第に驚いたげばは

「ごめんなさい。」と謝った。

(なんで謝ったのか覚えていない)

すると女が反撃した。

「ほら、この人、謝ってるじゃないの。

もういいでしょう。」

おっさんはかまわんと続ける。

「何言いよる!この子、顔にも怪我しちょる。」

「交通事故で警察呼んだら、

お前らどうなるか、わかってるのかあ!」

男は青くなってこういった。

「ひとまず、病院に連れて行こう。」

その事故現場は

都合のいいことに、

病院も目の前にあった。

男が、げばを抱きかかえ病院に向かったので、

ひとまずおっさんたちは

怒りを鎮めた。

男女は

げばを病院に運び、

受付に事情を説明して

医者に診てくれるよう手続きした。

そして男は、

げばに一万円札を3枚渡して、

「これで勘弁してくれなっ」

と言った。

げばは一万円札を握らされたまま

気を失ってしまった。

記憶喪失?

誰かが

げばに話しかけている。

白衣を着た人。

げばはうっすら目を開けた。

「おお!気がついたぞ!」

白衣が叫んだ。

「君、名前は?」

「今日は、何月何日?」

「今が何年かわかるかい?」

なんでこんな質問してるんだ?

この人は?

ドラマで見た記憶喪失の主人公みたいな扱いじゃん。

えっ?

と言うことは

「私が記憶を無くした」と思われてる?

そんな!

(めっちゃカッコイイ!)

ドラマみたいじゃん!

白衣には申し訳ないが、

ミーハーのげばは

まずそう思った。

ヘルメットをしていた上に、

丈夫な頭蓋骨で産まれたげばは

記憶喪失にならんと、無事だったようだ。

しかし、

右腕にヒビが入っているようで

ギブスでしばらく固定することになった。

病院での

げばの第一声は

「鏡を見せてください」

だった。

「顔を怪我してる」と言うおっさんの言葉を思い出したのだ。

鏡で自分の顔を見ると、

ヒィ〜!これが私の顔か!

四谷怪談のお岩さんじゃないか!

とすごく悲しくなった。

「大丈夫、治りますよ。」

その白衣の言葉は

あの時のげばの救いの光になった。

腕の負傷、記憶喪失より

お岩さんの顔が気になったのだ。

警察の事情聴取

交通事故ということで、

後日、げばは警察に出向くことになった。

お岩さんの顔は

すっかり腫れが引いて、

傷はかさぶたになっていた。

右腕の負傷だけで済んで

不幸中の幸いだった。

「…..それではあなたは男から

お金を握らされて、そのまま気を失ったんですね。」

とおっさん警察官が聞いた。

「….はい。」

おっさん警官は続ける。

「あのふたり、あなたを病院に置き去りにして

消えちゃったんですよ。

事故を目撃した近所の人は、

男があなたを病院に連れて行ったのを見て、

それで安心して、

車のナンバーを確認しなかったんです。

だから

男が誰かわからない。

本来なら、事故を起こしたあの男女が、

あなたの治療費、バイクの修理費など

払うべきなんですよ。

事故を起こした記録も当然残ります。

多分、あいつらは不倫だったんですなあ。

この事故が公になれば大変なことになる。

家庭も壊れるし、会社での信用も失う。

だから、怖くて、あなたにお金を握らせて

消えたんですね。」

あの不倫男女のその後

あの事件から何十年も過ぎた。

はるか昔の出来事で

すっかり忘れていた。

あの時のあの男女が40代前後とすれば、

今彼らは80代くらいである。

いい年のじいさん、ばあさんである。

あのふたり、

げばのバイクと

衝突したのをきっかけに、

関係がギクシャクして

別れたのだろうか?

別れたとなると、

不倫を終わらせるきっかけに

げばが関与したことになる。

おそらく

あの事故は

誰の目にも触れず、

密かに

男が

墓場まで持っていく

「秘密」になったのかも知れない。

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