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幸せそうだった結婚式後の真実(3)いちご物語14

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いちご物語
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池に浮かんでいるハスの花。

美しい大きな花は

見る人を和ませ、

清々しい気持ちにさせる。

だがそのハスの花は

泥水の中から

生まれるのだ。

不倫愛が終わる時

L女子の夫は

「結婚ごっこ」の終わりを感じ、

妻のいる自宅に帰っていった。

L女子は老人ホームの職員宿舎に戻り、

前のように働き始めた。

少しずつ

彼女の日常が戻ってきた。

でも

心に受けた傷は

あまりに深かった。

仕事場の仲間たちを

結婚式に招待したので

みんな彼女のプライベートを知っている。

彼と破局したことも知っている。

毎日体が重く、

いつも疲れていた。

風邪をよく引くようになり

仕事をしょっちゅう休むようになる。

乳がん検診(Breast Cancer Screening )

ある日、

彼女の元に乳がん検査の手紙が

家庭医から届いた。

イギリスのNHSは

50〜70歳の女性に

乳がん検査を薦めている。

「もう私も

50になったのね。」

L女子は

何も考えず

普通に

病院へ行き、

乳がん検診を受けた。

しばらくして

家庭医から電話がかかってくる。

結果は

「再検査」

L女子はまた検査するも

結果はまたもや

「再検査」

しかし今度は

大きな病院で検査するのである。

そこで彼女は

スキャン検査

レントゲン検査

など複数の検査を受けた。

そして告知されるのだ。

「乳ガンにかかっておられます。」

わたしを助けて

「私が乳がん!?」

「死ぬかもしれないの!?」

頭が真っ白で

何も考えられない。

ただひとつわかっているのは

L女子はひとり。

寂しくてたまらない。

怖くてたまらない。

そして ある日、

L女子は

自分を捨てた「彼」に連絡してしまう。

彼女にはもう「彼」しかいなかったのだ。

自分をだまし、

苦しい目に合わせて、

そして

自分を捨てた男に

電話したのだ。

「わたしを助けて!」

清らかな美しさ

それから数ヶ月後、

彼女は

自分の姿を

フェイスブックに投稿する。

彼女自慢の長いブルーネットの髪はなく

まるで尼さんのように毛のない

ツルツル頭の彼女がいた。

彼女はゆでたまごを手にして、

「見て

わたし、

ゆでたまごみたいね」

と言って笑っている。

いちごちゃんはこの写真に感銘を受けた。

実に美しい。

いちごちゃんが会いにいくと、

L女子は大変喜んで迎えてくれた。

彼のことが話題になった時、

彼女はこういった。

「あの時は

本当に怒って、

もう2度とあの男に会わないと決めてたの。

わたしの人生めちゃくちゃにしたやつだもんね。

でもね、

がんになって

「死」というものを考えるようになった時、

こう思った。

彼も弱い人間だったって。

そしてわたしも

同じように弱い人間なのよね。

彼は奥さんといまだに離婚してないけど、

わたしの日常を

助けにきてくれるの。

病院に行くのに

車で連れて行ってくれたり

重いもの持てないわたしの代わりに

買い物してくれたり、

恋愛感情はもうないけど、

お友達として

お付き合いしてるの。

奥さんも

彼がわたしのところに来るのを

承認してるみたいよ。

変な関係よね。

とL女子は笑った。

桜の微笑み

L女子の話を聞いているうちに

メインコースが終わり、

デザートのお皿がきた。

いちごちゃんは

フェースブックに投稿された

L女子の写真を

げばに見せた。

「ははは、見事につるっぱげだねえ。でも

ほんと、清々しい顔をしてる」

げばはしみじみこう言う。

「人の旦那とっといて、

その人と略奪婚するなんて、

なんて女だ。と思っていたけど、

人間って面白いね。

彼女も苦しかったんだよ。

徹底的に苦しんだから、

今、こんなにきれいなのよ。彼女」

「うん。」

いちごちゃんはうなずいた。

その時

いちごちゃんの携帯が鳴った。

彼女の子供からである。

家の前にいるのだが

鍵を置き忘れて中に入れないらしい。

「あら、大変じゃない。

帰ってあげなさいよ。」

とげばがいう。

いちごちゃんは自分の分のお金をテーブルに置き、

レストランを出て行った。

窓から笑顔で手を振るいちごちゃんが見えた。

徹底的に苦しんだから、今、こんなにきれいなのよ。

その言葉を思い出して、

げばがつぶやく

あんたもきれいよ。いちご

げばも最後のコーヒーを飲み終わり

レストランをでた。

窓の外にはいつの間にか

桜が咲いていた。

その花は

やさしく

微笑んでいるように

見えた。

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