「私さ昨日ライオンみたわよ。」ドバイのお姉さんたちが写真を見せながら話してくれた。「えー!うらやましい。私、猛獣系はまだみてないわ」「本当にサファリといったらライオンでしょ?」こんな会話がシャンパンブレックファーストで飛び交った。なんといっても当たり外れがあるのがサファリである。出会う動物たちはその日の気分しだい。腹が減ったら狩をし、お腹いっぱいになると木陰で昼寝する。雨がふったら巣にこもる。当たり前だがサファリは動物が主役なのである。
熟練の業師、サファリガイド
シャンパンブレックファーストが終わると、私たちはバルーンサファリのガイドさんの元に集まった。自分たちのキャンプに帰るのである。点呼が終わるとみんな自分たちの合流ポイントで降りて、それぞれのサファリガイドに引き取られていった。私もベビーシッター2号に引き取られた。
今日の予定はしばらくジープでサファリゲームを楽しんで、水辺にいって野生のカバやワニをみる。そしてサバンナで昼食をとり、午後からマサイ族の村を訪問するという段取りらしい。
荒涼としたサバンナを走っていて思ったのは、もしここで思わぬアクシデントが起こったらシッター2号はどうやって仲間に知らせるのだろう?
サバンナの道に名前はない。
後で調べてわかったことだが、サバンナには目印があるそうだ。独特な木、とか大きな岩とかがローカル人にしかわからない昔からの目印だそうだ。それに最近はITが発達しているので、GPSとかで位置を特定できるらしい。
GPS とはGlobal positioning systemという略で、衛星から送られる電波を受信して、現在地を特定するシステムである。そうするとこのサバンナにもナビゲーションのような地図が現れる。よって何か事故が起こってもすぐにレスキュー隊がきてくれるらしい。
と、その時、ジープが止まった。
なんだ?
よくみると遠くで母親ライオンが赤ちゃんライオンを連れてサバンナを横断していた。
感動である。
小さくってよく見えない!
でもこれがげばが遭遇した最初の野生ライオンだった。
走っているこの場所は猛獣区域だった。
「XXのOOでライオン発見。」
「ZZのXXでレオパルド発見!」
ケニア語はわからないが、時々、こんな感じで他のガイドと交信していた。
さながらミッションを得た007の如く、彼はきりっとハンドルを切るのである。
そのおかげでたくさんの猛獣に出会えた。狩った獲物を貪るメスライオンの群れ、昼寝しているオスライオン、草茂る木陰で息を潜めるレオパルドなどなど。
これこそサファリの醍醐味である。興奮してカメラを回すげばを彼はうれしそうにみていた。ミッションーコンプリート!である。
